・『地の文と台詞について考える』の 習作です。台詞だけでどこまでキャラの書き分けができるか挑戦……
・ふんわり設定の現パロです。
分かりやすさを求めるあなたへ

「うう……うううう……」
「殿下、大丈夫ですか? 水分摂りましょうか」
「ああ……。はぁ……車酔いなんて情けない」
「そんなことありませんよ。あ、私と席を替わりましょうか? 助手席の方がゆったり座れるのでは」
「ありがとうございます。でも後部座席の真ん中が一番酔わなくて済むと聞いたことがあって」
「ホントかよ……吐く時は言えよ。クライオスの服を貸してやる」
「なぜ俺の服なんだ、ちゃんとエチケット袋がある。しかし弱ったな。高速では窓も開けられないし」
「ゼン、どこかで車を停めて休めないか?」
「あーさっきのサービスエリア、寄っときゃ良かったな」
「いや、もう大丈夫だ。薬が効いてきた」
「それなら良かったです」
「にしても、ずいぶんちっこい車借りたな」
「うん……小さいと運転しづらいか?」
「ンなことはねぇが、後ろがキツいんじゃねぇの?」
「少しな」
「せめて赤毛とクライオスが席替われ。それで多少マシになる」
「し、失礼しました……ビジネス書によると、最も目下の者が助手席に座るようにとのことだったので……」
「お前、旅行行くのにンなモン読んだのか……?」
「まぁ、アナスタシアが隣にいてくれた方が、運転係の俺とゼンは助かるけどな。なぁ、ゼン」
「…………」
「下心・きもい・うざい」
「最低な2人だ……」
「オレは何も言ってねぇだろうが!」
「うざいだなんて……飲み物を渡したり、地図を確認したりすることに、何の負担もありません。むしろそのくらいやらせて下さい」
「さすがアナスタシア。気が利くなぁ」
「絶対そういう意味じゃねぇぞ……」
「運転したくないからとわざと免許証を忘れたヤツに、とやかく言われたくないな」
「フン」
「しかし車は、もう少し大きくても良かったかもな。あまり土産を買えないかもしれない」
「申し訳ありません……店員の女性に、『お客様にお似合いです』と勧められてしまって」
「確かにアナスタシアによく似合う。正しい判断だった。土産は配達すればいい」
「うぜぇ……」
「目的地まであとどのくらいですか? アナスタシア殿」
「ええっと、1時間ほどで旅館に到着するかと」
「はーー早く酒が呑みてぇ……」
「つまみもかなり美味いんだと」
「温泉も楽しみだ。酒の持ち込みOKらしい」
「マジか! ガキ2人、酒が楽しめなくて残念だなぁ。まったく同情するぜ」
「そのわりには顔がにやついてるぞ」
「温泉卵食べます」
「あと1時間か。夕食にはちょうどいい頃だな。もう少し早く着けば、その前に温泉も……」
「おい、ゼン。もっと飛ばせ。ガキ共に180km/hの世界を見せてやれ」
「無茶言うな。お前にだけは助手席座られたくねぇ」
「……あ!」
「なんだ、道間違えたか?」
「高速で?」
「見てください! うっすら遠く、観覧車があります!」
「そういえば観覧車に乗れると有名なサービスエリアがあったな。あそこがそうか」
「へぇ……すごいなぁ」
「ああいうの、すげぇ並ぶんだよな。1時間とか2時間とか」
「死ぬほどどうでもいい」
「え」
「ん?」
「……そう、ですよね。今回の目的は温泉ですもんね」
「もしかして、アナスタシア……乗りたいのか?」
「あ、えっと……いえ、そんなワガママを言うわけにはいきません」
「観覧車か……」
「おい、ルーシェン……まさかお前も……」
「? 別に乗りたいとは思わないが」
「そうだよな。お前んち金持ちなんだから、飽きるほど乗っただろ」
「いや。僕は遊園地なんて連れて行ってもらえなかったから、観覧車を間近で見たこともないよ」
「…………………………」
「私も同じです。だからつい、驚いてしまって……大きい声を上げてしまって申し訳ありません」
「観覧車ってあんなに大きいんですね」
「そうですね。キラキラしていて綺麗です」
「…………………………」
「はぁ……」
「……あれ? ゼン、そっちはサービスエリアだぞ?」
「いいんだ。2人とも、好きなだけ乗ってきなさい」
「え! 本当ですか!?」
「やった!」
● 話者名あり
【ル】「うう……うううう……」
【ク】「殿下、大丈夫ですか? 水分摂りましょうか」
【ル】「ああ……。はぁ……車酔いなんて情けない」
【ア】「そんなことありませんよ。あ、私と席を替わりましょうか? 助手席の方がゆったり座れるのでは」
【ル】「ありがとうございます。でも後部座席の真ん中が一番酔わなくて済むと聞いたことがあって」
【テ】「ホントかよ……吐く時は言えよ。クライオスの服を貸してやる」
【ク】「なぜ俺の服なんだ、ちゃんとエチケット袋がある。しかし弱ったな。高速では窓も開けられないし」
【ア】「ゼン、どこかで車を停めて休めないか?」
【ゼ】「あーさっきのサービスエリア、寄っときゃ良かったな」
【ル】「いや、もう大丈夫だ。薬が効いてきた」
【ゼ】「無理すんなよ。きつくなったら言え」
【ゼ】「にしても、ずいぶんちっこい車借りたな」
【ア】「うん……小さいと運転しづらいか?」
【ゼ】「ンなことはねぇが、後ろがキツいんじゃねぇの?」
【ク】「少しな」
【テ】「せめて赤毛とクライオスが席替われ。それで多少マシになる」
【ア】「し、失礼しました……ビジネス書によると、最も目下の者が助手席に座るようにとのことだったので……」
【テ】「お前、旅行行くのにンなモン読んだのか……?」
【ク】「まぁ、アナスタシアが隣にいてくれた方が、運転係の俺とゼンは助かるけどな。なぁ、ゼン」
【ゼ】「…………」
【テ】「下心・きもい・うざい」
【ル】「最低な2人だ……」
【ゼ】「オレは何も言ってねぇだろうが!」
【ア】「うざいだなんて……飲み物を渡したり、地図を確認したりすることに、何の負担もありません。むしろそのくらいやらせて下さい」
【ク】「さすがアナスタシア。気が利くなぁ」
【テ】「絶対そういう意味じゃねぇぞ……」
【ク】「運転したくないからとわざと免許証を忘れたヤツに、とやかく言われたくないな」
【テ】「フン」
【ク】「しかし車は、もう少し大きくても良かったかもな。あまり土産を買えないかもしれない」
【ア】「申し訳ありません……店員の女性に、『お客様にお似合いです』と勧められてしまって」
【ク】「確かにアナスタシアによく似合う。正しい判断だった。土産は配達すればいい」
【テ】「うぜぇ……」
【ル】「目的地まであとどのくらいですか? アナスタシア殿」
【ア】「ええっと、1時間ほどで旅館に到着するかと」
【テ】「はーー早く酒が呑みてぇ……」
【ゼ】「つまみもかなり美味いんだと」
【ク】「温泉も楽しみだ。酒の持ち込みOKらしい」
【テ】「マジか! ガキ2人、酒が楽しめなくて残念だなぁ。まったく同情するぜ」
【ル】「そのわりには顔がにやついてるぞ」
【ア】「温泉卵食べます」
【ク】「あと1時間か。夕食にはちょうどいい頃だな。もう少し早く着けば、その前に温泉も……」
【テ】「おい、ゼン。もっと飛ばせ。ガキ共に180km/hの世界を見せてやれ」
【ゼ】「無茶言うな。お前にだけは助手席座られたくねぇ」
【ア】「……あ!」
【ク】「なんだ、道間違えたか?」
【テ】「高速でか?」
【ア】「見てください! うっすら遠く、観覧車があります!」
【ク】「そういえば観覧車に乗れると有名なサービスエリアがあったな。あそこがそうか」
【ル】「へぇ……すごいなぁ」
【ゼ】「ああいうの、すげぇ並ぶんだよな。1時間とか2時間とか」
【テ】「死ぬほどどうでもいい」
【ア】「え」
【テ】「ん?」
【ア】「……そう、ですよね。今回の目的は温泉ですもんね」
【ク】「もしかして、アナスタシア……乗りたいのか?」
【ア】「あ、えっと……いえ、そんなワガママを言うわけにはいきません」
【ル】「観覧車か……」
【ゼ】「おい、ルーシェン……まさかお前も……」
【ル】「? 別に乗りたいとは思わないが」
【テ】「そうだよな。お前んち金持ちなんだから、飽きるほど乗っただろ」
【ル】「いや。僕は遊園地なんて連れて行ってもらえなかったから、観覧車を間近で見たこともないよ」
【3人】「…………………………」
【ア】「私も同じです。だからつい、驚いてしまって……大きい声を上げてしまって申し訳ありません」
【ル】「観覧車ってあんなに大きいんですね」
【ア】「そうですね。キラキラしていて綺麗です」
【3人】「…………………………」
【ゼ】「はぁ……」
【ア】「……あれ? ゼン、そっちはサービスエリアだぞ?」
【ク】「いいんだ。2人とも、好きなだけ乗ってきなさい」
【ア】「え! 本当ですか!?」
【ル】「やった!」
4/22あたりに、質問会をやりたいと思います。
お時間がありましたらお立ち寄りください
潮の文机(youtubeの予定)
